ピオグリタゾンの脳卒中再発予防効果、高リスク患者でより高い可能性 5年以内の脳卒中/心筋梗塞リスクの高低で比較、IRIS試験 [HealthDay News]

 脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)の既往があるインスリン抵抗性患者では、5年以内に脳卒中の再発や心筋梗塞(MI)の発症リスクが高い患者群の方が、リスクが低い患者群に比べてチアゾリジン系薬のピオグリタゾンによる再発予防効果が高い可能性があることを、米イェール大学医学大学院のWalter N. Kernan氏らが「JAMA Neurology」9月18日オンライン版に発表した。

 Kernan氏らは、脳梗塞またはTIA発症後180日以内でインスリン抵抗性を呈するが1型および2型糖尿病は発症していない患者を対象に、インスリン抵抗性の改善に働くピオグリタゾンの再発予防効果を検討したIRIS(Insulin Resistance Intervention after Stroke)試験のデータを用いて二次解析を行った。

 IRIS試験では、2005~2013年に7カ国179施設から登録された同患者3,876人を対象に、ピオグリタゾン投与群またはプラセボ群にランダムに割り付けて平均で4.1年間追跡した。今回の二次解析では、対象患者をベースライン時の臨床的特徴により5年以内の脳卒中再発またはMIの発症リスクが「高い」群と「低い」群に分けて、ピオグリタゾンの再発予防効果を比較検討した。

 その結果、ベースライン時に5年以内の脳卒中再発またはMIリスクが低いとされた患者群では、これらの5年発症率はピオグリタゾン群が6.0%、プラセボ群が7.9%と両群間の絶対リスクの差は-1.9%(95%信頼区間−4.4~0.6%)であった。一方で、ベースライン時にリスクが高いとされた患者群では、これらの5年発症率はピオグリタゾン群が14.7%、プラセボ群が19.6%と絶対リスクの差は-4.9%(同-8.6~1.2%)であり、絶対リスクの差はリスクが高い患者群の方が大きいことが分かった。

 しかし、ピオグリタゾン群のプラセボ群に対する再発予防効果のハザード比には、ベースライン時のリスクの高低で差はみられなかった(高リスク群0.77対低リスク群0.75、P=0.92)。

 以上の結果を踏まえて、Kernan氏らは「脳梗塞やTIAを発症後のインスリン抵抗性患者では、脳卒中の再発やMIの発症リスクが高い患者群とリスクが低い患者群でピオグリタゾン投与による再発予防の絶対効果に差がみられることが分かった」と結論づけている。なお、著者のうち2名は製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

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[dm-rg.net]

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