糖尿病前症患者の強化降圧治療、心血管疾患や全死亡の抑制に有用 SPRINT試験の事後解析 [HealthDay News]

 収縮期血圧(SBP)の降圧目標を120mmHg未満とする強化降圧治療は、糖尿病前症または空腹時血糖が正常な患者の双方で複合心血管疾患(CVD)発症率と全死亡率を低下させ、その有効性には差がみられないことがSPRINT試験(Systolic Blood Pressure Intervention Trial)の事後解析で分かった。詳細は「Diabetes Care」8月9日オンライン版に掲載された。

 SPRINT試験は、50歳以上の高血圧患者9,361人を強化降圧治療群(SBP降圧目標120mmHg未満)または標準治療群(同140mmHg未満)にランダムに割り付けて複合CVD発症率を比較したもの。米ユタ大学のAdam P. Bress氏らは、対象患者をベースライン時の空腹時血糖値に基づいて、糖尿病前症患者群(3,898人;空腹時血糖値100mg/dL以上)または空腹時血糖正常群(5,425人;同100mg/dL未満)に分けて、強化降圧治療と標準治療の有効性を比較検討した。主要評価項目は、複合CVDの発症(心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、急性非代償性心不全または心血管死の複合)とした。

 中央値3.26年の追跡の結果、標準治療群と比べた強化降圧治療群における主要評価項目のハザード比は、糖尿病前症患者群で0.69(95%信頼区間0.53~0.89)、空腹時血糖正常群では0.83(同0.66~1.03)であった(交互作用のP=0.30)。また、強化降圧治療による全死亡のハザード比はそれぞれ0.77(同0.55~1.06)、0.71(同0.54~0.94)であった(交互作用のP=0.74)。さらに、強化降圧治療と標準治療による事前に定義した腎臓関連の転帰と有害事象の発生率への影響度は、糖尿病前症患者群と空腹時血糖正常群の間で差はみられなかった。

 以上の結果を踏まえ、Bress氏らは「SPRINT試験の最新の解析から、複合CVD発症と全死亡に対する強化降圧治療の有効性は、糖尿病前症患者でも認められることが明らかにされた」と述べている。なお、著者のうち数名は、武田薬品工業(株)を含めた複数の製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

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[dm-rg.net]

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