1型糖尿病に対するペプチド免疫療法の安全性は高い [HealthDay News]

 新たに1型糖尿病と診断された患者において、プロインスリンペプチドを用いた免疫療法は安全で、膵β細胞機能の低下を促進させないとする研究結果が「Science Translational Medicine」8月9日号に掲載された。

 英カーディフ大学医学部のMohammad Alhadj Ali氏らは、新たに1型糖尿病と診断された患者を対象に、ヒト白血球抗原DR4(DRB1*0401)拘束性の免疫優性プロインスリンペプチドを隔週または4週ごと皮内投与する群またはプラセボを投与する群にランダムに割り付けて6カ月間投与し、プロインスリンペプチド免疫療法の安全性と有効性を検討した。

 その結果、プロインスリンペプチド免疫療法による全身性あるいは局所性の過敏症は認められず、免疫療法の忍容性は良好であることが分かった。また、プラセボ群ではベースライン時から3、6、9および12カ月後の時点で刺激後C-ペプチド値が有意に低下したのに対し、4週ごとのペプチド投与群ではいずれの時点でも、また、隔週投与群では3、6および9カ月後の時点でベースライン時からのC-ペプチド値に変化はみられなかった。

 12カ月の試験期間中に、1日のインスリン使用量はプラセボ群では50%増加したが、両ペプチド投与群では大きな変化はみられなかった。両ペプチド投与群ではC-ペプチド値の維持と関連して、プロインスリン刺激後のインターロイキン10(IL-10)の産生や制御性T細胞によるFoxP3発現の増加、ベースライン時の活性化した膵β細胞特異的CD8 T細胞数の減少、膵β細胞ストレスマーカー(プロインスリン/C-ペプチド比)の改善が認められた。

 以上の結果を踏まえ、Alhadj Ali氏らは「1型糖尿病を発症後早期の患者において、プロインスリンペプチド免疫療法は安全で、膵β細胞機能の低下を促進しないほか、抗原特異的および非特異的な免疫調節と関連することが分かった」と結論づけている。なお、著者のうち数名は、ペプチド療法の開発について英キングス・カレッジ・ロンドンと契約を結んでいるUCB Pharma社を含む複数の製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

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[dm-rg.net]

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