SGLT2阻害薬が心臓バイオマーカーの上昇を抑制―高齢2型糖尿病患者で検討 [HealthDay News]

 2型糖尿病患者では、SGLT2阻害薬のカナグリフロジンの投与により、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)および高感度トロポニンI(hsTnI)といった心臓バイオマーカーの血清中濃度の上昇が、プラセボ群に比べて約2年間にわたって抑えられることが「Journal of the American College of Cardiology」8月8日号に掲載の論文で報告された。

 米マサチューセッツ総合病院のJames L. Januzzi Jr.氏らは、55~80歳の高齢2型糖尿病患者666人を対象に、カナグリフロジン100mg/日投与群または300mg/日投与群(450人)、プラセボ群(216人)に無作為に割り付けて約2年間観察したランダム化二重盲検比較試験のデータを用いて、ベースライン時から26週、52週および104週の各時点におけるNT-proBNP、hsTnI、可溶性ST2 (sST2)およびガレクチン-3の血清中濃度の変化率(中央値)を後ろ向きに調べた。

 その結果、プラセボ群ではNT-proBNPおよびhsTnIの血清中濃度は上昇したのに対し、カナグリフロジン投与群では追跡期間を通してこれらの血清中濃度はほぼ横ばいで推移した。ベースライン時から26週、52週および104週の各時点におけるカナグリフロジン投与群とプラセボ群との変化率(中央値)の差(Hodges-Lehmann推定量)は、NT-proBNPではそれぞれ-15.0%、-16.1%および-26.8%、hsTnIではそれぞれ-8.3%、-11.9%および-10.0%であった(いずれもP<0.05)。

 また、sST2の血清中濃度の推移には、追跡期間を通してカナグリフロジン投与群とプラセボ群のいずれも大きな変化はみられなかった。さらに、ガレクチン-3の血清中濃度は、プラセボ群と比べてカナグリフロジン群ではベースライン時からわずかに上昇し、26週および52週の時点では両群間に有意差がみられたが、104週の時点では有意性は消失していた。

 以上の結果を踏まえて、Januzzi Jr.氏らは「今回の研究で得られたカナグリフロジン投与後の心臓バイオマーカーに関するデータは、2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬が心血管系に有益な作用を及ぼす可能性を裏づけるものになる」と述べている。なお、著者のうち数名は、今回の研究に資金を提供したJanssen社を含む複数の製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。

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[Terahata]

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