糖尿病患者の死因の第1位はがん! 岩瀬正典 先生

2017.08.03
糖尿病専門医による知見を集約した「糖尿病情報スクランブル」の「オピニオンリーダーによる糖尿病ガイダンス」では、岩瀬 正典 先生(社会医療法人財団 白十字病院 糖尿病センター/ 臨床研究センター 副院長・センター長 九州大学共同研究員)による「糖尿病患者の死因の第1位はがん!」を公開しました。
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糖尿病患者の死因の第1位はがん!

糖尿病患者の死因について

 昨年、日本糖尿病学会「糖尿病の死因に関する委員会」より2001年から2010年の10年間の4万5千人超の死因調査について発表がありました。糖尿病学会では1971~1980年、1981~1990年、1991~2000年と過去3回、同様な調査を行っていますので、糖尿病患者の死因の時代的変遷を知ることができます。今回の調査では、死亡年齢は、男性71歳、女性75歳で、1971~1980年までの、男性63歳、女性65歳に比べて糖尿病患者の寿命は随分と延びました。しかし、一般日本人の平均寿命と比べると、まだ男性で8歳、女性で 11歳短命でした。

 特記すべきは、血管障害(腎不全を含む)による死亡割合が、1971~1980年までの41.5%から14.9%まで減少し、さらに、一般日本人の死亡割合の18.8%よりも低かったことです。特に虚血性心疾患による死亡は4.8%に過ぎませんでした。1997年のWHOの報告では糖尿病患者の死因の40%は虚血性心疾患とされています。虚血性心疾患の発症率が、日本人は欧米の1/2~1/3とされていますので、日本人糖尿病患者で虚血性心疾患による死亡が少ないのは、発症率の差以外に 治療内容にも差があるかもしれません。最近、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬が 海外の大規模臨床試験で血管障害死を有意に減少させたことが報告されていますので、今後、これらの薬剤がより多く処方されるようになれば、我が国の血管障害死はさらに減少する可能性があります。

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