SGLT-2阻害薬が空腹時血糖異常者の血糖値と膵β機能を改善 空腹時血糖が正常な人と比較 [HealthDay News]

 SGLT-2阻害薬のエンパグリフロジンは、空腹時血糖異常(impaired fasting glucose;IFG)を示す人の膵β細胞機能を改善させる可能性のあることが「Diabetes」6月13日オンライン版に掲載の論文で報告された。

 米テキサス大学健康科学センターのMuhammad Abdul-Ghani氏らは、空腹時血糖が正常(normal fasting glucose;NFG)な8人とIFGを示す8人を対象にエンパグリフロジン25mg/日を2週間投与し、同薬が空腹時血糖値や膵β細胞の機能に及ぼす影響を調べた。対象者には投与前および投与開始から48時間後、14日後に高血糖クランプ法を用いて膵β細胞のインスリン分泌能を評価した。

 その結果、投与開始2日後における尿糖の排泄量(glucosuria)は、IFG群では50±4g、NFG群では45±4gであり、この排泄量は2週間にわたって維持されていた。空腹時血糖値については、IFG群では投与開始14日後に有意に低下したのに対し(110±2mg/dL→103±3mg/dL、P<0.01)、NFG群では変化はみられなかった(95±2mg/dL→94±2mg/dL)。

 膵β細胞機能については、IFG群においてのみ同薬投与による改善が認められた。また、IFG群では高血糖クランプ中の血漿中C-ペプチド濃度の上昇曲線下面積(AUC)が増加したが(P<0.01)、NFG群における血漿中C-ペプチド反応には変化はみられなかった。いずれの群も高血糖クランプ中のインスリン感受性に対する同薬の影響は認められなかった。そのため、インスリン分泌能とインスリン感受性指数(disposition index)で評価した膵β細胞の機能はIFG群でのみ有意に改善する可能性が示唆された。

 以上の結果から、Abdul-Ghani氏らは「エンパグリフロジン投与により腎臓におけるナトリウム-グルコース共輸送を阻害すると、尿糖排泄量にはIFGの有無で差はみられないが、IFGを示す人では空腹時血糖値が低下し、膵β細胞機能が改善する可能性がある」と結論づけている。

 なお、著者のうち数名は、エンパグリフロジンの製造者で本研究に資金を提供したBoehringer Ingelheim社を含む複数の製薬企業との利益相反(COI)について情報を開示している。

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[dm-rg.net]

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