DPP-4阻害薬の使用で高齢糖尿病患者の心血管リスク増加せず

2017年3月 9日 

 メディケアを受給している高齢の糖尿病患者において、DPP-4阻害薬の使用はスルホニル尿素薬(SU)およびチアゾリジン系薬と比べて心筋梗塞(MI)や脳卒中といった心血管リスクを高めないとの研究結果が、「Diabetes, Obesity and Metabolism」オンライン版に2月14日掲載された。

 米ノースカロライナ大学チャペルヒル校のMugdha Gokhale氏らは、2007~2013年に60歳超のメディケア受給者のデータを用いて、DPP-4阻害薬、SU薬、チアゾリジン系薬の使用を新たに開始した患者群を同定し、(1)DPP-4阻害薬(3万130例)とSU薬(6万8,382例)、(2)DPP-4阻害薬(2万596例)とチアゾリジン系薬(1万3,526例)それぞれのMI、脳卒中、心不全による入院および複合アウトカム(MI+脳卒中+全死亡)の発症率を比較検討した。治療期間は中央値で1年であった。

 その結果、SU薬に対するDPP-4阻害薬の複合アウトカムのハザード比は0.75(95%信頼区間0.72~0.79)であった。一方で、MIの年間リスクはDPP-4阻害薬、SU薬でそれぞれ100例あたり1.00(同0.89~1.12)、1.47(同1.38~1.56)であり、脳卒中の年間リスクはそれぞれ100例あたり0.98(同0.87~1.10)、1.09(同1.01~1.17)であった。また、チアゾリジン系薬に対するDPP-4阻害薬の複合アウトカムのハザード比は0.94(同0.86~1.02)であった。MIおよび脳卒中の年間リスクはDPP-4阻害薬、チアゾリジン系薬ともにそれぞれ100例あたり0.90、0.80であった。

 以上の結果から、著者らは「今回の研究は治療期間が短いという限界はあるが、短期間のDPP-4阻害薬の使用はSU薬やチアゾリジン系薬と比べてMIや脳卒中、心不全のリスクを増加させない可能性が示唆された」と述べている。なお、一部の著者は製薬企業との利益供与を開示している。

記事原文 [HealthDay News 2017年2月24日]

参考資料
Abstract
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[ dm-rg.net ]

日本医療・健康情報研究所

編集部注:海外での研究を扱ったニュース記事につきましては、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。

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