シタグリプチンは高齢2型糖尿病患者の心血管リスクに影響しない [HealthDay News]

 高齢の心血管疾患(CVD)を合併した2型糖尿病患者では、DPP-4阻害薬であるシタグリプチンは心血管リスクに影響を及ぼさないことが、「Diabetes Care」オンライン版に1月5日掲載の論文で報告された。

 英オックスフォード糖尿病センターのM. Angelyn Bethel氏らは、Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes with Sitagliptin(TECOS)試験に参加したCVD合併2型糖尿病患者を対象に、ベースライン時の患者背景と臨床転帰について解析した。年齢を記録した1万4,351例のうち、2,004例(約14%)が75歳以上であった。主要複合評価項目は、CVDによる死亡、非致死的脳卒中、非致死的心筋梗塞または不安定狭心症による入院であった。

 解析の結果、高齢のCVD合併2型糖尿病患者では、追跡期間中(中央値2.9年)の主要複合評価項目〔100人年あたり6.46件対3.67件、ハザード比(HR)1.72、95%信頼区間(CI)1.52~1.94)〕、死亡(同2.52、2.20~2.89)、重症低血糖(同1.53、1.15~2.03)および骨折(同1.84、1.44~2.35)それぞれの発症率が有意に増加していた。こうした高齢患者のコホートでは、シタグリプチン投与は主要複合評価項目の発症に有意な影響を及ぼさず(同1.10、0.89~1.36)、死亡(同1.05、0.83~1.32)、心不全による入院(同0.99、0.65~1.49)、重症低血糖(同1.03、0.62~1.71)にも影響を及ぼさなかった。

 以上の結果から、同氏らは「良好にコントロールされている2型糖尿病とCVDを合併した高齢患者では、シタグリプチンは心血管リスクに影響を及ぼさず、重大な安全性上の懸念をもたらすこともなかった」と述べている。

 一部の著者は、Merck社を含む製薬企業との利益供与を開示している。なお、同社はシタグリプチンを製造しており、TECOS試験に資金を提供している。

記事原文 [HealthDay News 2017年1月12日]

参考資料
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[dm-rg.net]

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