1型糖尿病の発症にヒ素代謝が関連か

2016年12月 1日 

 若年で発症する1型糖尿病にはヒ素代謝が関連し、血漿中の葉酸濃度による相互作用を受ける可能性があることが、「Diabetes Care」オンライン版に11月11日掲載の論文で報告された。

 米ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院(ボルティモア)のMaria Grau-Pérez氏らは、22歳未満の糖尿病患者514人(1型糖尿病患者429人、2型糖尿病患者85人)と対照群174人のデータを用いてヒ素と1型および2型糖尿病の発症との関連を検討した。

 解析の結果、ヒ素化学種の濃度の総和は、1型糖尿病、2型糖尿病いずれとも関連しないことがわかった。ヒ素化学種の濃度の総和に対する無機ヒ素、モノメチル化ヒ素およびジメチル化ヒ素の相対比率の四分位範囲に相当する濃度の差を調整して比較したところ、各ヒ素化学種における1型糖尿病のオッズ比はそれぞれ0.68〔95%信頼区間(CI)0.50~0.91〕、1.33(同1.02~1.74)および1.28(同1.01~1.63)、であり、2型糖尿病のオッズ比はそれぞれ0.82(同0.48~1.39)、1.09(0.65~1.82)および1.17(同0.77~1.77)であった。また、モノメチル化ヒ素の比率による1型糖尿病のオッズ比は、血漿中の葉酸濃度が中央値より高い患者群では1.80(同1.25~2.58)、中央値より低い患者群では0.98(同0.70~1.38)と、葉酸の血中濃度で差がみられた。

 以上から、同氏らは「今回の研究から、葉酸やビタミンB12といった葉酸代謝とメチオニン代謝を含む代謝経路のバイオマーカーとの相互作用など、1型糖尿病の発症におけるヒ素代謝の役割を解明する研究を進めることを後押しする知見が得られた」と述べている。

記事原文 [HealthDay News 2016年11月22日]

参考資料
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(dm-rg.net)

日本医療・健康情報研究所

編集部注:海外での研究を扱ったニュース記事につきましては、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。

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