DPP-4阻害薬は尿中アルブミン/クレアチニン比を改善する ――推算糸球体濾過量には影響及ぼさず [HealthDay News]

 2型糖尿病患者では、DPP-4阻害薬のサキサグリプチンが尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)の改善と関連することが、「Diabetes Care」オンライン版に10月17日掲載の論文で示された。

 ハダサ・ヘブライ大学病院(イスラエル)のOfri Mosenzon氏らは、2型糖尿病患者1万6,492人を対象に、サキサグリプチン投与群とプラセボ群にランダムに割り付けて、中央値で2.1年間にわたって観察し、腎臓に関連する転帰を比較検討した。

 その結果、ベースライン時に正常アルブミン尿、微量アルブミン尿および顕性アルブミン尿を呈した患者では、サキサグリプチン投与は、ベースライン時から試験終了時におけるACR区分の改善あるいは悪化の抑制と関連していた(それぞれP=0.021、P<0.001、P=0.049)。

 サキサグリプチン投与群とプラセボ群における2年後のACR平均変化量の差は、推算糸球体濾過量(eGFR)が50 mL/分/BSA超の場合は-19.3mg/g(P=0.033)、50mL/分/BSA以下30 mL/分/BSA以上の場合は-105mg/g(P=0.011)、30mL/分/BSA未満の場合は-245.2mg/g(P=0.086)であった。

 ACRを連続変数とした解析では、サキサグリプチン投与によりACRの低下が認められた。ACRとHbA1cそれぞれの変化量は相関しなかった。また、eGFRの変化量は両群間で同程度であり、安全性にも差はみられなかった。

 以上の結果から、同氏らは「サキサグリプチンによる治療は、正常アルブミン尿の範囲であっても、eGFRに影響を及ぼすことなくACRを改善することがわかった」と結論づけ、「同薬のアルブミン尿に対する有益な作用は、血糖コントロール作用では説明できなかった」と付け加えている。

 一部の著者は、本試験に資金を提供した英AstraZeneca社および米Bristol-Myers Squibb社を含む複数の製薬企業との利益供与を開示している。

記事原文 [HealthDay News 2016年10月24日]

参考資料
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[dm-rg.net]
編集部注:
  • 海外での研究を扱ったニュース記事には、国内での承認内容とは異なる薬剤の成績が含まれています。
  • 2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わすようになりました。過去の記事は、この変更に未対応の部分があります。ご留意ください。
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