「ランタスXR」投与開始6ヵ月後にHbA1c値0.64%低下 ランタスより低い低血糖発現率

2016.09.28
 「Toujeo」(インスリン グラルギン注射液300単位/mL)の投与を受けている成人2型糖尿病患者は、ランタス(インスリン グラルギン注射液100単位/mL)を投与した患者に比べ、投与6ヵ月後のいずれのHbA1c値においても、夜間および24時間の血糖値70mg/dL以下または重症低血糖の発現率の低下が認められたと発表された。
 2型糖尿病患者を対象とした第3相臨床試験(EDITION1、2および3)のデータを用いて今回新たに行ったメタアナリシスの結果は、ドイツ・ミュンヘンで開催された第52回欧州糖尿病学会(EASD)で発表された。
※「Toujeo」は、日本国内では「ランタスXR」のブランド名で製造販売されている。

実臨床におけるアドヒアランスとHbA1cの有益性を検討

 メタアナリシスは、第3相臨床試験(EDITION1、2および3、n=2,103)のデータに基づいて行われた。血糖値70mg/dL以下または重症低血糖の患者当たりの年間発現件数(件/人年)は、負の二項回帰モデルを用い、各患者の投与開始6ヵ月後の時点のHbA1cデータで補正した。「Toujeo」(インスリン グラルギン注射液300単位/mL)とランタス(インスリン グラルギン注射液100単位/mL)の曲線に重なりはなく、「Toujeo」の低血糖発現率は、いずれのHbA1c値においてもランタスより低いことが明らかにされた。

 試験では、「Toujeo」を処方された成人2型糖尿病患者のうち、「Toujeo」の投与開始前の6ヵ月間に他の基礎インスリン製剤を使用した経験のある患者を特定した。PHIE(Predictive Health Intelligence Environment)データベースで特定した対象例(881例)について、「Toujeo」開始前の6ヵ月間および開始後6ヵ月間のHbA1c、血糖値70mg/dL以下または重症低血糖の発現率を求めた。

 ベースライン時点と追跡期間中(0~6ヵ月)にHbA1c測定値が得られた患者267例の平均HbA1cは、ベースライン時点で8.97%、追跡時は8.33%だった。低血糖の発現状況の情報がベースライン時点と追跡期間中(0~3ヵ月)に得られた患者449例では、低血糖の発現率はベースライン時点で6.0%、追跡期間中は5.1%だった。

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