DPP-4阻害薬「ネシーナ錠」、チアゾリジン薬との併用認可 武田薬品工業

2010.08.23
 武田薬品工業は20日、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬(DPP-4阻害薬)「ネシーナ錠」(一般名:アログリプチン)について、厚生労働省よりチアゾリジン薬との併用効能追加の承認を取得したと発表した。

 同剤は本年6月より日本で販売を開始。インスリン分泌を高めるホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)を分解する酵素であるDPP-4に対する選択性が極めて高く、1日1回の投与で優れた血糖改善作用を示す。これまでは、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用が唯一可能なDPP-4阻害薬として重用されてきたが、新たにチアゾリジン薬との併用が可能となった。チアゾリジン薬は、2型糖尿病に特徴的な病態であるインスリン抵抗性を改善する薬剤であり、同社の「アクトス錠」(一般名:ピオグリタゾン)が日本で唯一製造販売承認を取得している。

 同社は、今回の併用効能追加によって、2型糖尿病の主な病態であるインスリン分泌低下ならびにインスリン抵抗性という、異なる2つの病態を改善することが期待され、幅広い糖尿病の治療オプションを提供できるとしている。
(8月20日 プレスリリース)

【承認となった新たな効能・効果、用法・用量】

  • 効能・効果: 2型糖尿病。ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
    • ・食事療法、運動療法のみ。
    • ・食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤を使用。
    • ・食事療法、運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用(下線部について今回新たに承認取得)。
  • 用法・用量: 通常、成人にはアログリプチンとして25mgを1日1回経口投与する。

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