耳たぶから採血する際の穿刺器具の取り扱いについて注意喚起 厚生労働省

2010.03.02
 厚生労働省は1日、血糖測定の際に用いられる穿刺器具の取り扱いについて、施術者に注意喚起および周知を促す通知を発出した。これは、耳たぶからの採血の際、穿刺器具の針が耳たぶを貫通し、施術者の指に刺さる症例が複数報告されたため。
 また、同時に製造販売業者に対しても、製品の添付文書に対して自主点検項目を示し、必要に応じて添付文書の改訂および医療機関などへの情報提供を行うよう促した。

耳朶穿刺時等の微量採血のための穿刺器具の取扱いについて(注意喚起及び周知依頼)〈抜粋〉
  • 1. 耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行うと、組織を貫通した針で指を穿刺し、血液を介した感染のおそれがあること。
  • 2. 貫通のおそれがある場合には、他の組織の厚い部位での穿刺について検討すること。
  • 3. 耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行う場合には、穿刺部位の裏側を直接指で支えないこと。
  • 4. 穿刺する部位に関わらず、採血時には針刺しや血液との接触による感染のおそれがあるため、施術者は手袋着用等の血液曝露予防の対策をとること。

微量採血のための穿刺器具に係る添付文書の自主点検等について〈抜粋〉
  • 1. 微量採血のための穿刺器具を取り扱う製造販売業者は、当該添付文書の【使用上の注意】の「重要な基本的注意」欄に、以下の旨の記載がされていることを確認すること。
    • 1)【使用目的、効能又は効果】欄で穿刺部位を限定していない製品、又は【禁忌・禁止】欄で耳朶穿刺を禁止していない製品
       耳朶等の組織が薄い部位への穿刺を行う場合には、穿刺部位の裏側を直接指で支えないこと。〔組織を貫通した針で指を穿刺し、血液を介した感染のおそれがある。貫通のおそれがある場合には、他の組織の厚い部位での穿刺について検討すること。〕
    • 2) 1)以外の製品
       組織が薄い部位への穿刺を行うと、組織を貫通した針で指を穿刺し、血液を介した感染のおそれがあるため、添付文書上にある穿刺部位を守ること。
  • 2. 上記1による確認の結果、必要な記載がされていない場合においては、速やかに添付文書を改訂し、上記1の内容を記載するとともに、医療機関等に対して改訂内容について文書による注意喚起を行うこと。なお、既に添付文書で必要な記載がされている場合でも、改めて文書による注意喚起を行うこと。
  • 3. 承認申請中の当該製品についても、当該申請者は、添付文書(案)について修正を行う旨、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)に申し出ること。
     また、認証申請中のものについても、当該申請者は、添付文書(案)について修正を行う旨、申請先の登録認証機関に申し出ること。
  • 4. 治験を実施中の当該製品についても、治験依頼者は、必要に応じて治験実施医療機関に対し速やかに情報提供を行い、注意喚起すること。
  • 5. 本年3月31日(通知発出の1ヶ月後)までに、上記の添付文書の自主点検結果及び医療機関等への情報提供状況を機構安全第一部医療機器安全課医療安全情報室に報告するとともに、上記2に従い改訂した添付文書を機構の「医薬品医療機器情報提供ホームページ」上に掲載すること。
     なお、上記1の自主点検の結果、既に必要な記載がされていた添付文書についても、同様に本年3月31日までに掲載すること。

【平成22年3月1日】「耳朶穿刺時等の微量採血のための穿刺器具の取扱いについて(注意喚起及び周知徹底)(通知)」厚生労働省

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